最低限おさえておきたいこと
現在レンタルサーバーのサービスを提供している事業者は無数にあり、初心者がどこを利用するかを決めるのは、なかなか骨の折れることです。
数が出そろったこともあり、現在では多くの事業者が低価格で充実したサービスを提供しており、その差は小さくなってきています。
とは言っても、なかには格安だけれども、安い分、管理画面が使いにくかったり、月に何度もサーバがダウンしてWebサイトにアクセスできなくなったり、トラブルが起こってもまるでサポートしてもらえなかったり……という残念なレンタルサーバーも存在します。
ホームページを公開するためには、金額面以外にも、下記のような最低限必要な条件をしっかりおさえておきましょう。
サポートのよしあしは、レンタルサーバを選ぶ上でとても大切な条件です。
初心者の方にとって、設定がうまくいかないときや、トラブルが起こった際に、すぐに質問できるかどうかは非常に重要ですし、慣れている方でもトラブル時にはすぐに問い合わせを行って対応できなければ、復旧まで長い時間何もできずただ待つことになってしまいます。
簡単な質問や急ぎの質問なのに、丸1日の返事待ちで、しかも質問と回答がかみあっていないからもう一度質問しなおさなければならない……というのではあまりサポートの意味がありません。
できれば、無料電話サポートやチャットでのサポートなど、リアルタイムで意思の疎通が行えるところが望ましいですが、メールサポートのみの場合でも、「24時間以内に対応」など対応時間を明記していて迅速に回答してくれるレンタルサーバを選びましょう。
また、メールや電話など直接問い合わせを行うサポート以外にも、サイト開設までの手順をまとめたガイドや、よくある質問とその回答をまとめたFAQなど、マニュアル的情報が充実しているレンタルサーバであれば、問い合わせをする前にサイト情報を見るだけで迅速に対応できることも多くあります。
レンタルサーバの運営しているサイトのサポート情報などを事前に見て、情報を得やすいかどうかも確認しておきましょう。
「http://好きな名前.com」や「○○@好きな名前.com」のように、自分のサイトやメールアドレスに独自ドメインを利用したい場合は、独自ドメイン利用に対応しているレンタルサーバを選ぶ必要があります。
ほとんどの有料レンタルサーバでは、独自ドメイン利用可能となっていますが、無料レンタルサーバでは独自ドメインに対応していないところもありますので注意しましょう。
また、独自ドメインには対応していても、レンタルサーバのプランの中で取得したものしか使用できない(他社で代行取得した独自ドメインの持ち込み不可)の場合がありますので、取得の方法や持ち込み対応の可不可についてもよく確認しておきましょう。
※独自ドメインとサブドメインについては、「レンタルサーバの基礎 どっちがいいの?」の「独自ドメインかサブドメインか」をご参照ください。
容量については、「ディスク容量」という項目をチェックしましょう。
ディスク容量には、
「Webサイト用の容量」 と 「メール用の容量」 が含まれています。
レンタルサーバによって、スペースに用途別の境界がない変更可能タイプ(合計500MBで「Webサイト400MBとメール100MB」や「Webサイト300MBとメール200MB」というように自分で自由に分けられるタイプ)と、最初からそれぞれの容量が決まっている変更不可タイプがあります。変更可能タイプの方が、自分の使用用途に応じて自由にカスタマイズできるため、使い勝手はいいかもしれません。
メールの容量に関しては、1日にどれぐらい送受信するかで見積もってみてください。
1件あたりのメールの容量は内容によって変わります。テキスト(文字)のみのメールであれば0.05MB(5KB)もあれば十分ですが、添付ファイルなどをやり取りする場合はその分も必要になります。あまり厳密に計算するのが面倒な方は、1件1MB~2MBで1日何件か、それを最低何日分保管できる必要があるかをざっくりと計算してみてください。
次に、Webサイト用の容量です。Webサイトに必要なディスク容量はどれぐらいかというのも決まった計算式はなく、やはり作成するサイトの内容によって変わってしまいます。
最低限見積もる内容としては、何ページのホームページが必要か、画像や動画、音声などをどれぐらい使用するかになります。
テキスト(文字)やリンクだけであれば、1文字が0.000001~0.000002MB(1バイト~2バイト)ですので、容量も数十MBあれば十分ですが、音声や動画を直接レンタルスペースに転送して使用する場合はある程度の容量が必要になります。
もちろん作成するサイトの内容次第ではありますが、ネット上でのサイト開設者アンケートなどでは、「最低1GBはほしい」という方が多数のようです。
現在は低価格でも容量の多いプランが増えていますが、一般的には容量と金額が比例しますので、「高いお金を払ってもスペースを使いきれるかが心配」という方は、後から容量を追加できるプランやプランをアップグレードできるレンタルサーバを選ぶというのも一つの手です。
また、サイト開設時に必要な内容のファイルサイズ分はもちろんのこと、そこからサイト内容の更新分や、ログ(アクセス解析用などの記録など)も増えていくことになりますので、増分もあらかじめ見積もっておきましょう。
さらに、CGIやMovable Typeなどのサーバインストール型プログラム・ソフトを利用する場合は、その分の容量も必要になります。(Movable Typeで20MB程度)
インターネット上のサイトを見ていると、アクセスカウンタや掲示板、メールフォーム、チャットなど、いろんな便利なしくみがありますよね。
そのしくみのことをCGIといいます。
CGIは、サーバに常駐していて、サイト利用者のパソコンのブラウザからの要求に合わせて動作し、結果を返してくれるプログラムのしくみのことをいいます。
たとえばサイトを訪れた人が掲示板にメッセージを書き込んで、パソコンの電源を切っても掲示板の情報は消えません。これは、掲示板プログラムとそこへ書き込まれた情報が、すべてサーバに保存されているためです。
WebサイトでCGIを利用したい場合、まずはレンタルサーバ側が利用したいCGIを提供していないかどうかを調べてみてください。無料レンタルサーバの場合は、掲示板などの目立つ所に広告が入ることが多いですが、有料レンタルサーバでは広告抜きのCGIをすぐに利用できるように用意してくれているところが多いです。
また、CGIはプログラミングの知識があれば自分で作成できます。プログラミングができなくても、さまざまな用途にあわせて作られた便利なCGIのスクリプト(プログラミング文章)を公開しているサイトがたくさんありますので、その内容を自分のレンタルスペースにコピーして利用できます。
ただ、レンタルサーバ側が用意したCGI以外は「独自CGI」となります。レンタルサーバのなかには、「独自CGI使用不可」というところもありますので注意しましょう。また、独自CGIには対応しているけれども、サーバに負荷をかけるチャットのCGIは使用禁止というような制限がある場合もあります。
また、CGIはいろいろなプログラミング言語で作成可能ですが、一般的にはPerlという言語で書かれたものが多いです。
他に、サーバ側で動くプログラムの言語としてよく使用されているものに、PHPという言語があります。
PHP言語で書かれた掲示板やショッピングカートなどを動作させるためには、レンタルサーバがPHPに対応している必要があります。
ほとんどのレンタルサーバは標準でPerlに対応していますが、PHPには対応していないところもありますので、こちらも使用する場合はあらかじめ確認しておきましょう。
レンタルサーバのプランごとの機能一覧などに、「動作検証済みプログラム」とか「使用可能プログラム」とか「独自CGI対応」いった項目がありますので、そこで確認可能です。
レンタルサーバを使う利点のひとつに、レンタルサーバ会社が利用者に代わって高額なサーバや回線などを準備して、メンテナンスし、障害に対応してくれる点があります。
Webサーバというのは、極端にいえば、インターネットに環境にあるサーバ用ソフトの入ったコンピュータであればなんでもかまいません。ですので、自分でサーバを構築して準備してもかまわないのですが、その場合たくさんのアクセスに対応できる高性能なサーバや高速回線、サーバ用のソフト、アプリケーションソフト、サーバに障害が起きた場合のための障害対策用プログラムなどをすべて自分で用意して、複雑な設定をして、24時間管理しなければなりません。もちろん、そのサーバが壊れてしまった時に、復旧させるのも自分です。
レンタルサーバを利用する場合は、レンタルサーバ会社がすべての機材の手配や設定、運用管理、障害復旧を代行してくれるわけですので、利用者は自分のサイトの内容だけを管理するだけですむのです。
そこで、大事になるのがレンタルサーバ会社の運用管理面における信頼度になります。
たとえば、信頼性の高いレンタルサーバ会社であれば、まずサーバを防犯・防災に備えた場所へ設置して、さまざまな障害に備えてサーバや回線を二重化したり、たくさんのアクセスを複数のサーバで負荷分散したり、万が一の時のためにサーバのデータのバックアップを行ったりしています。
また、外部からサーバへ侵入して利用者のメールやサイトの内容を盗まれたり、勝手に書き換えられないように、侵入や改ざんの検知システムを導入したり、専門の技術者をおいてさまざまなセキュリティ対策をとり、サーバダウンなどの障害にも素早く対応できるように24時間監視したりしています。
ただ、そういった運用管理を行うためにはお金がかかります。
ですので、無料レンタルサーバや格安レンタルサーバは、どうしても高額サービスと比較すると管理やサポートに足りないところが生じてしまいます。
価格の差には、こういった設備やサポートの差も含まれているのです。
ネットショップなど顧客を持つサイトを運用する場合は、個人情報の管理にも責任が生まれますし、そうでない個人サイトでも勝手に自分のメールアドレスを悪用して迷惑メールを配信されたり、自分のサイトにアクセスしたために利用者のパソコンがウィルスに感染してしまったりするというのは困ります。
現在では、ウィルス対策をサーバ側で行ってくれるレンタルサーバも標準的になりつつあります。
自分のサイトにとって必要な、最低限のセキュリティ対策が準備されているかということも、レンタルサーバを選択する上でよく比較検討してみてください。